「支持率下げてやるぞ」
「支持率下がるような写真しか出さねえぞ」
取材中の記者とみられる人物から、耳を疑う発言が飛び出した。
「支持率下げてやるぞ」という発言は自民党の高市早苗新総裁に対して向けられたものとみられ、マスコミの姿勢が問われかねない発言である。
高市新総裁と公明党の隔たり
7日、高市総裁と公明党の斎藤鉄夫代表による会談が行われ、連立継続について協議されたとみられる。
会談後、斎藤代表は「特に歴史問題・靖国問題・過度な外国人排斥の問題については高市新総裁から詳細な説明があり、我々と認識を共有できた」として、連立継続へ一定の成果があった模様だ。
しかし「政治とカネ」の問題に対する姿勢は隔たりがあり、結論は持ち越しとなった。
高市総裁が首班指名に向けて行わなくてはならない大仕事の1つが連立へ向けた他党の調整である。
公明党は保守色の強い高市氏を警戒していて、自民党議員の政治資金収支報告書不記載問題に「けじめ」をつけるよう要求している。
高市新総裁は就任後の会見で「特に人事に影響はない」として、いわゆる“裏金議員”を登用する考えを表明した。
衆議院で与党が過半数を割る状況で公明党が連立から離脱するようなことがあれば、まだ始まっていもいない政権運営の基盤は大きく揺らぐことになる。
飛び出した「支持率下げてやるぞ」発言
連立継続について協議が行われるなか、部屋の外では大勢の報道陣が会談の終了を待っていた。
会談は1時間半に及び、テレビ局がYouTubeで生配信をするなど、高市総裁の発言に注目が集まっていた。
問題の発言が飛び出したのは、集まっている報道陣に対し関係者が「もうちょい」と言いながら、会談が長引いている様子を伝えたときである。
「えー、えー、ひどいね。支持率下げてやるぞ。支持率下げるような写真しか出さねえぞ」
音声で確認する限り、発言は1人の男性とみられる報道関係者から飛びしたものとみられる。
「写真」と発言していることから新聞社の記者かカメラマンの可能性が高そうだ。
問われるオールドメディアの姿勢
発言は日本テレビのライブ配信に記録されていたが、該当部分は削除されアーカイブされている。※発言者が日本テレビの関係者かどうかは不明であり、上記の通り新聞社の関係者ではないかとみられるので注意
動画を確認する範囲では1人の男性が冗談交じりに発言したものとみられ、政治的意図があるものというよりは、長引く会談に痺れを切らしてつい発言したものではないかと推測する。
しかし「冗談だからで」済まされるほど、マスコミに対する社会の姿勢は甘くない。
日ごろから政治家をはじめとする発言の1つ1つにチェックの目を光らせ、失言があれば徹底的に追及する報道を繰り返しているのは、ほかでもないマスコミである。
今回の発言は国会や自民党本部などに出入りできる記者クラブ所属の報道関係者によるものとみられ、一種の「なれ合い」的状況が生まれているのではないか。
一国の行方を左右する会談を取材する報道陣として、マスコミへの信頼を裏切る極めて不適切な発言だろう。
日常からこうした姿勢で取材し報道しているのかと勘繰られ「オールドメディア」と揶揄され、信頼低下につながっているのではないだろうか。
会談後、高市総裁は20分以上にわたり、笑顔を交えながら報道陣の質問に答え続けた。
目の前にいた記者に「支持率下げてやるぞ」と言われたとは、このとき思ってもみなかったであろう。
信頼回復の必要があると考えるならば、マスコミは襟を正さなければならない。

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